禅宗ー無念無想の危険性

禅

前回の真言宗に続き、禅宗について検討してみます。

禅宗については、タイトルの「無念無想」以外にも、「不立文字」「頓悟」あたりを問題点として掘り下げていきたいですが、今回は「無念無想」について検討してみます。
*頓悟(とんご):一足飛びに悟ること

1.無念無想の瞑想には危険がともなう

人間は個性あるエネルギー体として一定の波長、周波数とでも言うべきものを発しているということを何度かお話しています。

心が整っている状態では精妙な波長を発しており、精神界のいわゆる天国の世界に通じていることになります。もちろん、どの程度の天国であるかは個人個人の悟りの段階によって異なりますが、天国的な波長を発している状態での瞑想はもちろん危険はないです。

問題は、心が整っていない状態で瞑想に入った場合ですね。瞑想状態に入ると、表面意識と潜在意識の境界が曖昧になってきて、潜在意識と導通しやすくなります。実はこの潜在意識がいわゆるあの世(精神界)のことでもあるんです。

潜在意識と交流しやすい状態になっているということは、波長の粗いスピリット、はっきり言えば地獄霊ですね、こういう存在とも導通しやすくなっているということです。

ということは、心境が悪い状態(つまり自分自身の波長が粗い状態)で瞑想に入ると、いつにもまして、悪霊と導通しやすくなるということになります。いわゆる、憑依ですね。

これが表面意識を留守にしているがゆえに、普段よりよけいに深く憑依される危険性が増すということになります。*私がこういうふうに書いているということは、すでにたいていは自分を使って実験済みということでもあります(笑)。

もちろん、瞑想の作法として禅宗でも各種の呼吸法を教えられる(例:数息観(すそくかん))のですが、呼吸法だけで心境自体を修正するのははっきり言って無理です。

そういうわけで、釈尊の教えとしては八正道を中心とした内省を説いていたわけですね。内省そのものが、自己の過ちを修正しようとする作業であり、また、悪霊は内省ができないから悪霊になっておりますので、内省を開始するという行為自体が悪霊を遠ざける働きがあることになります。

まとめますと、

瞑想は潜在意識と交流する作法であり、潜在意識と交流するということは悪霊に接触する危険性も高まるということである。心境が悪い状態では粗い波長を発しているので、同じく粗い波長をもっている悪霊と導通しやすい。表面意識で生活している時にも増して深く憑依される危険がある、ということになります。

2.そもそも無念無想を目的とすることが有効なのか

禅宗では、「心は木石の如し」と言われることがあります。しかし考えてみれば、わざわざ瞑想までして木石になってどうするんですか?という観点がありますね。

瞑想までして木石になるのだったら、そもそも人間ではなく、木石に生まれてくればよかったんです。わざわざ人間として、思惟(しい)する存在として生まれてきた意味がなくなってしまいます。

おそらくは、無我の境地、一切の執われから離れている境地のことを「木石の如し」「無念無想」と主張しているのだと思いますが、やはり誤解を招く表現でもあるし、無我に至る手順として考えたとしても、内省を経ない無念無想はやはり1.で述べた危険性があるということになります。

じつは『大般涅槃経』というお経の中に「八解脱」という考えがあり、その中の6番目に「無所有処定」(むしょうしょじょう)7番目に「非想非非想処定」(ひそうひひそうじょう)というものが出てきます。*これらの詳しい説明は省きますが要は「無念無想」に近いものです。

これらが本当に釈尊の考えであったのか、もはや確かめるすべはありませんが(仏典全体に言えることですが、どこからどこまでが釈尊の直説であるのか、証明するのは不可能です)、仮に釈尊の真意であったとしても、八解脱の第一に「諸々の色(しき)を観察する」という段階が置かれているのを忘れてはいけません。

色(しき)は仏教では、「物体」ほどの意味ですが、思惟やイメージ作用によってこの世(物質界)の存在の無常を観察し、執着から離れるということ、これが第一の解脱として説かれている、つまり、前提として説かれているということですね。

したがって、八解脱を釈尊の思想として肯定したとしても、依然として1.で述べた危険性は残るということになります。

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