永遠のローマ(パクス・ロマーナ)は現代日本に再興する!

パクス・ロマーナ

ヨーロッパには”永遠のローマ”は復興することはありえない

古代ローマ帝国滅亡後、ヨーロッパでは、神聖ローマ帝国・ドイツ第三帝国など、それぞれカタチは違えども、かつての”永遠のローマ”=パクス・ロマーナを復興しようとする動きがありました。いわゆる、普遍世界への憧れです。

現代では、EUがそうしたパクス・ロマーナの復興を目指した統合と言えるでしょうね。これも、ヨーロッパ内のヒト・モノ・カネの行き来を自由にして、一種の「帝国」を目論んでいたといえるでしょう。

しかし、ご存知のようにEUは行き詰まりを見せ、2,016年はイギリスがEUから脱退(Brexit・ブレグジッド)しました。

「EUなんてうまくいくわけがない」というのは、僕は1,990年代から言っていたのです。あれほど国民国家としての独立性・歴史を持った国々が「ひとつのヨーロッパ」でまとまることには、やはり無理があるんですよ。

近年では、移民やテロの問題、EU内の格差問題などが噴出して、こうした国民国家への回帰の動き=EU分裂は2,017年になって、ますます活発化していくでしょう。

ヨーロッパでパクス・ロマーナが実現しない理由

ヨーロッパでパクス・ロマーナが実現しない本質的な理由は一神教と多神教の違いにあります。ココを考えることがキィポイントになると思います。

ヨーロッパ世界はキリスト教文明、つまり一神教ですよね。

一神教には寛容性がありません。自分のとこの神様が正しければ、他の神様は間違っている、悪魔であるという方向へ行ってしまうんです。

異教や異民族の神が悪魔(とまで言わないのせよ、未開の神に見えるんでしょう)に見えるということは、征服するにあたっても、情け容赦がないということになります。

これが、大航海時代以降、ヨーロッパが南北アメリカやアフリカ、アジア、オセアニアへ侵略をし、「住民を大量虐殺する」「文明をまるごと破壊する」などの暴挙にでることができた理由です。

アメリカも一緒ですね。”マニフェスト・デスティニー”(明白な使命)の名のもとに、先住民のインディアンたちの虐殺を正当化し、さらにアメリカ大陸を超えて、ハワイ王朝も絶滅させました。

一神教というのは、こういうことができるおそろしさがあります。自分とこの神様だけが正義で、他は悪魔であって、絶滅させても構わない、あるいは、未開の神は”教導・文明化”するのが使命、ということになってしまうからです。

対して、ローマ帝国というのは、たしかに当時のヨーロッパ地方・アフリカ地方を属州化していきましたけれども、このローマの属州化政策というのは、近代西欧の植民地化政策とはまるで違うものです。

まず、属州化した現地の人民をジェノサイドしたりはしませんし、現地の神様も認めてしまいます。認めるどころか、現地の神様もローマの神々に加えてしまうという寛容さがありました。

これこそが多神教の良いところです。ローマの神々はたくさんいらっしゃいますが、元は古代ゲルマンの神々であった方も多くいらっしゃるんですね。

それから、神々を認めるだけにとどまらず、属州の民にもローマ市民権を与えました

属州出身のヒトがローマ皇帝にもなっています。当サイトでよく取りあげているマルクス・アウレリウスもスペイン属州の出身です。

こういったローマの統治政策とヨーロッパの植民地政策を比べてみると違いは歴然ですよね。

イギリスが、インドの現地人に参政権を与えたでしょうか?インドの神々をキリスト教の天使に加えたでしょうか?(笑)。

これは一例ですが、西欧の植民地政策はどこも似たようなもんです。インフラを整備したとしても、それは現地人のためではなく、あくまで本国への輸送の便のためであるとか、そうした理由ですね。もちろん、教育投資などするわけがありません。

ローマ帝国の属州政策に酷似していた大日本帝国の統治政策

対して、戦前の大日本帝国の統治政策はどうであったでしょうか?

満州においては、現地出身である溥儀(ふぎ)を満州国皇帝に復帰させました。

また、「五族共和」の名のもとに、現地の積極的なインフラ投資も行い、”未開の地”であった満州国を発展させましたね。現に、五族協和は理念だけではなく、現実の政策として実行され、満州国は人口が増え続けていったのです。

もし、統治が過酷なものであるならば、人口が増えるわけがありません。満州への自発的移民が増えたということです。

また、韓国併合もそうです。日韓同祖論に基づき、朝鮮の方々にも日本の国政への参政権を与えました。現に、朝鮮人(当時は、”日本人”という認識)であって衆議院議員まで登りつめた方もいらっしゃいました。

このように、”日本人として扱う”という政策は、ローマ帝国が、属州民にローマの市民権を与えたことと軌を一にしています

韓国だけではなく台湾へもそうですね。各種インフラ投資、教育の整備なども行いました。純粋に”経営”という立場から言えば、”持ち出し”のほうが多かったわけです。そういう総合的な観点からも、日韓併合や台湾政策と、西欧の植民地政策とはまるで性格が違っていたんですよ。

こうした日本の統治政策の背景にあるのは、宗教的にはローマと同じく”多神教”であった、ということが指摘できると思います。

パクス・ジャポニカ

今回の論考で僕が言いたいことは、単に、「ローマ帝国と日本の統治政策が似ていた」というだけにとどまりません。

実は、ローマ的精神というのは、スピリチュアル的に言っても、現代日本へ受け継がれているんです。

ローマ的精神はその前のギリシャも合わせて、ギリシャ・ローマ的精神と言ってもいいでしょう。ギリシャ的精神は、思想や哲学、つまり精神的な規範としてローマに受け継がれていきましたからね。

多神教の良いところだけをずっと書いてきましたが、ひとつ欠点を言うと、多神教には、軸となるべき精神的規範、要は”体系的な教え”が欠けているということが挙げられます。

ローマにおいては、宗教はローマの神々でしたが、実際の思想的基盤になったものは、ギリシャ哲学です。日本においては、宗教は八百万の神々でしたが、実際の思想的基盤は、仏教や儒教が受け持っていました

こういう意味でも、政治と宗教・思想の構造が、ローマ帝国と日本はそっくりなんです。

そして、ギリシャ・ローマ的精神はルネサンスを経て、西へ西へと流れ、明治の日本へ流れ込みました。インドから始まった釈迦仏教も、西域と中国を経て日本へ流れ込んでいます。

つまり、日本は、東西の主流文明が総合された国としての使命を持っているということです。

僕は常々、「地球のスピリチュアルの主流中の主流は、ギリシャ・ローマ系、インド系である」と述べていますが、この両者ともに日本に流れ込んでいるということです。

そして、日本が古来より持っている宗教的寛容性が、かつてのローマ帝国のように普遍世界(しかも地球的なレベルでの)を作っていくということです。

これが、パクス・ロマーナはパクス・ジャポニカへ受け継がれていく、と主張している最大の理由です。

さて、

では、戦争やテロの問題で行き詰まりを見せている一神教の世界(西欧・中東)を今後、どのように取り込んでいくべきなのか、地球的価値観を樹立していく理論的方法論について、また別の機会に述べてみたいと思います。