禅宗ー不立文字(ふりゅうもんじ)、知識学習軽視の問題点

不立文字

前回の「禅宗ー無念無想の危険性」に引き続き、禅宗について論じてみます。今回は、不立文字(ふりゅうもんじ)についてです。不立文字とは、悟りは言葉で伝えられるものではなく、体験・経験によって得られるものである、といった意味ですね。

禅の極意として「不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏(ふりゅうもんじ、きょうげべつでん、じきしにんしん、けんしょうじょうぶつ)」と4つ挙げられていますが、その冒頭の言葉が有名になっているわけです。

この不立文字が文字通り(?)、悟りを文字として現さない、ということであるならまだ良いのですが、文字にとどまらず、知識・言葉による悟りの伝達を否定する方向に行くのなら問題だ、と思うわけですね。

不立文字の考えの起源としては、おそらくは釈尊が禅定によって悟りを開いたという事実。そのオリジナルに立ち返ろうとする考えの一環だったと思います。これは、釈尊没後、経典の整理・説明にあたってやたらと煩瑣(はんさ)な哲学の方向へ流れていった反省も含まれていると思います。
*ちなみに、私も仏教の煩瑣哲学、アビダルマ(経の解説書=論)哲学にはうんざりしています。笑

それではなぜ不立文字の考えに反対であるのか。

まず第一に、「釈尊は言葉・知識を軽視していなかった」ということを指摘しておきます。

釈尊が禅定によって悟りを開いたのは事実ですが、その前提として、苦楽中道、すなわち、難行・苦行のなかには悟りの因はなく、放逸な生活にも悟りの因はない、真理の探究は苦楽の両極端を離れた中道にある、という認識が第一にありました。

次に、禅定の内容としては十二因縁を悟ったとされています。十二因縁はここでは詳しく述べませんが、要は、無明(むみょう・智慧がない状態)を原因として行為が生じ、その行為によって執着が生ずる、そしてその執着によって苦しみの輪廻に至る、ということを論理的に追っていくわけです。

そして、悟りの結果、まずは5人の修行者に悟りの内容を伝えていきます。その説明のなかには、苦楽中道、そして有名な四諦八正道(したいはっしょうどう)を伝えたと言われています。
*四諦八正道についてはまた別に述べます。

そう、釈尊は悟りを言葉で伝えたんですよ。はじめの伝道からして言葉で悟りを伝えているわけです。そして成道後〜入滅までおおよそ45年間、人々の機根に合わせて説法を続けていきました。当時のインドでは文字で言葉を記す習慣はありませんでしたが、文字にしなかったからといって言葉や知識を軽んじていたわけではないんです。衆生の数だけ悩みがあり、その悩みを解決するために説法を続けていった結果、仏教には八万四千の法門があるとまで言われるようになったわけです。

無明、すなわち智慧がない状態が苦の原因と説いた以上、仏教がその出発点において、智慧の宗教であることは明白です。そして、無明を滅するためには、「これこれこうでこうなって苦しみが起きている」という言葉・知識による論理の伝達がまずあったわけですね

第二点として、禅宗よりも大枠に大乗仏教の目的を挙げてみます。それはつまり、般若の智慧を得て解脱する(自利)、その智慧を衆生に伝えていく(利他)というところにあると思います。

そして、智慧の習得の段階として三慧(さんえ)、すなわち、聞慧・思慧・修慧(もんえ・しえ・しゅうえ)という3つの段階があり、第一段階の聞慧で真理知識を学ぶということが前提となっていること注目したいです。

  1. 聞慧・・・真理知識を学ぶ
  2. 思慧・・・真理知識を禅定にて考える
  3. 修慧・・・真理知識を実践して智慧を得る

つまり、解脱のためには智慧が必要であり、智慧を得るためには前提として聞慧、すなわち真理知識の吸収という段階があるということです。

*禅宗が不立文字の方向へ流れていった原因について考えてみると、おそらく下記の順番になっていると思います。あまりに元も子もない意見なので大文字にしません・・・。

  1. じつは、宗祖である達磨(だるま)大師の悟りがそれほどのレベルではなかった。
  2. 中国において、禅宗が北宗禅と南宗禅に分裂したが、南宗禅の慧能(えのう)が無学・頓智を売りにするタイプであった。
  3. 分裂後、南宗禅がメジャーになり日本にもその系統が伝わった。
  4. 以後、禅宗は知識軽視でかつ、頓智(とんち)の応酬が悟りであるかのような錯覚に陥っていた
  5. 知識軽視で頓智のほうが、教える方も教わる方も楽なのでそのまま定着した
  6. そして、「悟りは言葉で伝えられないのだ、不立文字である」という物言いが何となくカッコいいのでさらに定着した

 

 

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