預流果 ー 聖なる世界へ還るためのメソッド①

預流果

この世(現象界)での生き方が、あの世(実在界)でいかなる世界へ還るかを決める!ということは、何度かお話しています。

当サイトでは、実在界の構造として十界(じっかい)を採用していますが、こちらのほうは大乗仏教の分類です。
*「天台智顗(てんだいちぎ)の十界 ー スピリチュアルな出世の段階一覧

今回は、原始仏教(釈尊の仏教)および、小乗仏教の考え方を基準にして考察してみます。

「小乗仏教」というのは、大乗仏教側からの蔑称ですので、小乗仏教の側は自らの立場を「上座部(じょうざぶ)」あるいは、「テーラワーダ」と呼んでいます。

ここ最近の流れでは、上記の”蔑称”としての分類を避けるために、「北伝仏教」(=大乗仏教)・「南伝仏教」(=上座部)といったふうに呼び分けることも多いですね。

実際、テーラワーダ系の書籍は日本でもかなりの点数が出版されていますし、その代表的な瞑想法、ヴィパッサナー瞑想は、一種のブームになっている感があります。

さて。

南伝仏教の「スピリチュアルな出世段階」としては、十界ではなくて、六道(ろくどう)を想定しています。

というか、北伝仏教のほうが六道に4つ付け加えて十界にしたのですけどね。

…ということは、4つ引けばいいので、六道は下記のとおりになるわけです。

天界・人界・修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界
*厳密に言うと、南伝仏教では初期経典に従って、畜生と餓鬼の順序が入れ替わっています。

そして、凡夫はこの六道を無自覚的に、ぐるぐると転生輪廻を繰り返しています。

南伝仏教では、「死後、より高い世界へ還る」というよりも、そもそもこの「六道の輪廻」から外れること、これを「解脱(げだつ)」と呼んでいまして、

つまり、「もう二度と、生まれ変わってこない状態になること」を目指しているわけですね。

これがすなわち、「涅槃(ねはん)に入った」ということになります。

その悟りの段階の目安として、四沙門果(ししゃもんか)というのが説かれています。

これは以前にもご紹介したことがありますが、下記の4段階です。
*「四向四果(しこうしか)と解脱(げだつ)」をご参照ください。
*今回のトピックでは、「四向」は省略しています。

  1. 阿羅漢果(あらかんか)…涅槃(ねはん)に入って、輪廻の枠から外れることができる
  2. 不還果(ふげんか)…人界以下の世界には戻らない。天界での寿命が尽きると阿羅漢果になる
  3. 一来果(いちらいか)…もう一度、人界へ生まれ変わって修行をすれば、阿羅漢果になることができる
  4. 預流果(よるか)…7度生まれ変われば(人界以外への生まれ変わりも含む)、阿羅漢果へ至る

というわけで、

まずは、順序として、「預流果」の境地を得ることが出発点ということになります。

また、初期仏典によると、「預流果の悟りを得れば不退転であり、7回生まれ変わるうちに阿羅漢果になる」という趣旨のことが書かれていますので、出発点であると同時に、ゴールが約束されている、ということにもなりますね。

そして、預流果の境地を得ると、「六道の4つ=地獄・餓鬼・畜生・修羅(この4つを四悪趣(よんあくしゅ)と言います)には赴かない」と言われています。

そういうわけで、次に、

それでは、預流果の悟りを得るためにはどうしたらいいのか?預流果の判定を得るための目安は?ということが重要になってきますね。

預流果に至った状態になると、下記の3つがハズレてくる、と言われています。

  1. 有身見(うしんけん)…我見(がけん)とも言う。肉体=自分、という執われ
  2. 疑(ぎ)…仏法への疑い
  3. 戒禁取(かいごんしゅ)…仏法に即していない宗教的/スピリチュアル的儀式への執われ

この3つについて、順番に見ていくとともに、さらに、これら3つをクリアするためにはどうしたらいいのか?を次稿で考察していきますね。今回も前置きが長すぎました…。